アストロスケール、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」の出荷を完了

Posted October 4th, 2023 Posted in News

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)の除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星の製造・開発を担う株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅、以下「アストロスケール」)は、2023年度内にミッション実施を予定している商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」のニュージーランドへの出荷を完了したことをお知らせいたします。本衛星の輸送は、アストロスケールとマーケティングパートナーシップを締結している郵船ロジスティクス株式会社(本社:東京都品川区)によるものです。

アストロスケールは、大型デブリ除去等の技術実証を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズⅠの契約相手方として選定、契約を受けて、ADRAS-Jを開発しました。ADRAS-Jはニュージーランドのマヒア半島にあるRocket Labの第1発射施設(Launch Complex 1)での打上げを予定しており、同社のロケット「Electron(エレクトロン)」による打上げ・軌道投入後、非協力物体である日本由来のロケット上段への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行います。本ミッションは、実際のデブリへの安全な接近を行い、デブリの状況を明確に調査する世界初の試みです。これはデブリ除去を含む軌道上サービスにおいて不可欠な要素です。

アストロスケール代表取締役社長 加藤英毅のコメント 

「衛星の製造完了と出荷はプロジェクトにおける大きなマイルストーンであり、これにより、本実証は開発のフェーズから打上げ・運用のフェーズに移行しました。ADRAS-Jの打上げ、そして軌道上で運用を開始することを心待ちにしています。」

 

  • デブリ除去を含む軌道上サービスにおいて不可欠な要素であるRPOの機能を実証
  • 実際の大型デブリへの安全な接近を行い、デブリの状況を明確に調査する世界初の試み
  • 今後のデブリ除去や、宇宙における観測・点検の基盤となる