アストロスケール英国、英国デブリ除去ミッションにおける次のフェーズの契約を獲得
持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、代表取締役社長兼CEO 岡田光信)の英国子会社であるAstroscale Ltd.(以下、アストロスケール英国)はこの度、英国宇宙庁(UKSA)との間で、低軌道上にある役目を終えた英国由来の衛星2機を除去する英国デブリ除去ミッションのソリューションとして、「COSMIC(コズミック、Cleaning Outer Space Mission through Innovative Captureの略)」の開発を継続するための契約を締結したことをお知らせいたします。なお、契約額は1.95 百万英ポンド (税抜) です。
このフェーズでは、ロボットアームによる捕獲システムやデブリの姿勢安定化の技術などを含めた、過去フェーズで特定された主要技術の成熟とリスク軽減に重点が置かれます。アストロスケールが運用するミッションにおけるRPO※1(ランデブ・近傍運用)技術の実績を活かし、安全かつ信頼性の高い英国デブリ除去技術を提供します。
アストロスケール英国はこのフェーズにおいて、Airbus Defence and Space英国、MDA英国、Nammo英国、Thales Alenia Space英国、GMV英国、AVS英国、D-Orbit英国、Redwire、DLRといった、英国および欧州の経験豊富な業界リーダーと協力します。また、英国全土に広がる約100社にもおよぶサプライチェーンとも引き続き連携し、アストロスケール英国のZeus施設にてCOSMICの開発、組み立て、および運用を行う予定です。アストロスケール英国の軌道上サービスのサプライチェーンの発展は、高度専門職の雇用を支え、スペースクラスター同士のコラボレーションを促進させるといった、英国にとって大きな貢献をもたらします。 COSMICのサービサーは、アストロスケールの「ELSA-M(エルサ・エム、End-of-Life Services by Astroscale – Multi clientの略)」の技術的進化版となります。先月、アストロスケール英国はUKSAがサポートする欧州宇宙機関(ESA)とEutelsatグループの共同パートナーシッププロジェクトであるSunrise(サンライズ)の一環として、ELSA-M 軌道上実証の最終フェーズに関する契約をEutelsat OneWebと締結しました。2026年4月期の会計年度に打ち上げ予定のELSA-Mは、捕獲や除去の準備がされている衛星を対象とした、衛星運用終了時の除去を行うEOL(End-of-Lifeの略)サービスとして世界初となるミッションです。
また、アストロスケールホールディングスの日本子会社である株式会社アストロスケールが国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証(CRD2※2)フェーズIとして2024年2月より実施しているADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」のミッションでは、観測対象のデブリの後方およそ50mへの接近や周回観測等に成功しています。同社は、デブリの除去も行うCRD2のフェーズIIの契約相手方にも選定されています。
アストロスケールUKの入札には、Airbus Defence and Space UK、MDA UK、Nammo UK、Thales Alenia Space UK、GMV UK、AVS UK、D-Orbit UK、Redwire、DLRなど、先進的な宇宙システムにおける英国および欧州の経験豊富な業界リーダーが参加しています。Astroscale UKは、約100社で構成される成長を続けるアストロスケールUKアストロスケールチェーンを活用し、COSMICサービスプロバイダーの開発に向けて、イングランド、スコットランド、北アイルランドに広がる他の数社との協力も継続します。COSMICは、英国にあるアストロスケールのZeus施設で開発、構築、運用され、英国に多大な利益をもたらします。さらに、当社の軌道上サービス向けサプライチェーンは、高度なスキルを要する仕事の創出と維持、および英国全土の宇宙クラスターとの協力強化を強力にサポートします。
※2 CRD2:Commercial Removal of Debris Demonstrationの略称