宇宙状況把握(Space Situational Awareness:SSA)とは、宇宙での活動や宇宙環境(宇宙天気を含む)の特徴を把握する機能です。宇宙監視・追跡(SST)は、SSAの一部となるもので、軌道上での活動中および非活動中の物体の動きや活動に焦点を当てています。
物体の動きを理解するために、SSTでは軌道上の物体の位置情報を観測・測定し、その後の処理で物体の軌道や軌跡を再現する必要があります。
また、物体の動きだけでなく、その物体の特徴(例えば回転状態での動き)もSSTにとって重要な要素です。
SSAには、レーダーや望遠鏡などの長距離リモートセンシングによる複数の物体の観測から、いわゆる診断と呼ばれる特定のターゲットへの近傍接近や観測まで、幅広い活動が含まれています。
一般的な宇宙ミッションにおいて、ミッションを安全できちんと運用を成功させるだけでなく、宇宙物体間で起こりうる壊滅的な衝突を防ぐためにもSSAは不可欠なものです。
私たちのミッションは、複雑なランデブ・近傍運用(RPO)技術を必要とします。ミッションには、異なる軌道間で複数回のマヌーバ、物体への近傍運用やドッキングなど、様々なサービスが含まれます。ミッションを安全に成功させるためには、これらの物体がどのように動いているのか、軌道環境における他の物体との関係をよく理解することが不可欠です。
アストロスケールの衛星やミッションは非常に柔軟で、SSA機能が活用できるよう、センサーデータの提供が可能な機器を搭載しています。当社の技術発展につれ、自社の衛星機能を利用して、SSAデータサービスのより広範なエコシステムのサポートを目指しています。
SSAから将来的なミッションニーズをよりよく理解するために、アストロスケールではELSA-dを可能な限り活用し、SSAのサービスプロバイダーと協力してデータを交換し、RPOミッションにこれらの機能をどのように利用できるかを検討しています。
また、軌道上での新しいセンサ機能の開発にも取り組んでおり、今後ADRAS-Jの観測ミッションでその成果を披露する予定です。
COSMICミッションでも、SSA の検証などを検討しています。
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