アストロスケール、文部科学省の「SBIRフェーズ3」に採択

投稿日: 2023 年 10 月 2 日 カテゴリー:ニュース

日本持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星の製造・開発を担う株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅、以下「アストロスケール」)はこの度、文部科学省が実施する「革新的な研究開発を行うスタートアップ等による研究開発を促進し、その成果を国主導の下で円滑に社会実装し、我が国のイノベーション創出を促進するための制度(SBIR 制度)」において、宇宙分野(事業テーマ:スペースデブリ低減に必要な技術開発・実証)を対象とした大規模技術実証事業(フェーズ3)に採択されたことをお知らせいたします。

本事業は2023年7月より公募が開始され、「スペースデブリ低減に必要な技術開発・実証」を事業テーマとした宇宙分野のうち、「軌道上の衛星等除去技術・システムの開発・実証」という研究開発課題においてアストロスケールが採択されたものです。アストロスケールは、2023年10月から最長2028年3月までの間で文部科学省からの補助を受け、大型の衛星を対象デブリとした近傍での撮像・診断ミッションを開発・実施します。本事業は3つの事業フェーズに分けられており、補助金交付総額については1社最大120億円、補助額はフェーズ毎に決定されます。本事業フェーズ1の補助金交付額は最大26.9億円となります。

アストロスケールは2023年度内に実施を予定しているADRAS-Jミッションにおいて、長期にわたり放置された非協力物体である日本のロケット上段への接近・近傍運用を実証しその運動や損傷・劣化状況の撮像を行います。その上で、SBIRフェーズ3として実施するミッションにおいてはランデブ・接近・観察対象を大型の衛星デブリとすることで、軌道上サービス実現に向けた能力と実績をさらに高めます。

運用を終了した衛星等のデブリは、外形や寸法などの情報が限られるほか、位置データの提供や姿勢制御の協力が得られません。よって、その劣化状況や回転レートなど、軌道上での状態を把握しつつ当該デブリに安全・確実にRPO(ランデブ・近傍運用)を実施することは、デブリ除去を含む軌道上サービスを提供するための基盤となります。本事業の技術実証により、アストロスケールは軌道上にある大半の大型デブリのへのRPOを可能とする技術の確立を狙います。