アストロスケール、3500万米ドルに及ぶ資金を調達

投稿日 2016年3月1日 カテゴリーニュース

シンガポールに拠点を置く衛星サービス会社であるアストロスケールは、ベンチャーキャピタルの産業革新機構(INCJ)から最大で3,000万米ドル、継続的に投資を行う株式会社ジャフコ、およびその他の投資家から500万米ドルの資金提供を受けることになりました。

この資本調達は、革新的な宇宙推進システム、強力な接着を可能とする衛星ドッキングシステム、およびスペースデブリ除去と活動を終えた人工衛星などの処分に使用される主要技術の開発とテストに使用されます。これらのシステムは、最先端の衛星の近接操作、ドッキング、軌道離脱サービス、および大気圏再突入の制御を実行するために不可欠です。アストロスケールは、2018年前半に「ADRAS 1」と呼ばれる、デブリ除去(ADR)の軌道上での模擬を実施します。模擬でこういった技術が実証されると、同社は近い将来、宇宙機のEOLサービスなど、世界の衛星事業者向けに持続可能で拡張性のあるビジネスソリューションを提供できるようになります。
これらの機能のデモンストレーションにより、同社は、近い将来に世界中の衛星運用者に宇宙船の使用済みサービスなどの持続可能でスケーラブルなビジネスソリューションを提供できるようになります。

背景
2009年以降の世界の衛星産業における年平均成長率(CAGR)は4.75%に上り、2014年には売上高が1,610億米ドルから2,030億米ドルへと伸びました。2015年には、かつてないほど多くの衛星が宇宙に打ち上げられています。
業界のこのような急成長は、数百の衛星の打ち上げを計画している企業による、コストパフォーマンスの高い小型衛星の打ち上げと、新しい低地球軌道(LEO)での大規模コンステレーションの意欲的な開発によるものです。

スペースデブリの数は今後数年間で大幅に増加すると予想され、長期利用できる宇宙環境を実現するのに、スペースデブリの管理ソリューションの確立が不可欠になります。現在、地球を周回している追跡可能なスペースデブリは23,000以上あり、その数は、宇宙機の衝突や不本意な分裂、および現在稼働中の宇宙ミッションから生じたゴミにより増加して行くでしょう。

アストロスケールは、これから宇宙空間に打ち上げられる、またはすでに打ち上げられているすべての物体に対して提供する、EOLサービスのビジネスコンセプトを紹介しています。このようなサービスにより、人工衛星やロケットのオペレーターは、実際の打ち上げ前に、宇宙に優しいシステムを搭載した信頼性の高い衛星を選んだり、切り離された使用済みロケットにパッシベーション処理をし、軌道から離脱できるようにしたりする検討をできるようになります。

アストロスケールは、宇宙における拡張性のあるソリューションを提供する業界のリーダー的地位を確立し、衛星やロケットのオペレーターが責任を持って宇宙環境を使用することを実現し、新しいデブリが発生するリスクを軽減したいと考えています。同社は、過密状態の低軌道で現在稼働中の衛星を脅かす大きなスペースデブリを安全に除去するという長期目標を引き続き追求していきます。

株式会社アストロスケール
2013年に設立されたアストロスケールは、シンガポールを拠点とする衛星サービス会社であり、持続可能で責任ある宇宙環境の使用に貢献できる革新的で拡張性のあるソリューションを開発しています。
「スペース・スイーパー」と名乗るチームは、さまざまな大学や企業の研究者、エンジニア、物理学者などで構成され、必要な知恵と専門知識を共有しつつ、経済的に実行可能なスペースデブリの軽減および宇宙環境の修復におけるソリューションを開発しています。

宇宙飛行の安全性を向上させるために、チームは現在、「IDEA OSG 1」と呼ばれる最初のミッションを計画しています。これは、小さすぎて地上から追跡できないスペースデブリの正確なモニタリングと位置特定を可能にするものです。同社は並行して、初の軌道上でのデブリ除去を模擬する計画を進めています。この模擬実験は、将来、衛星やロケットのEOLサービスに使う独自の技術を証明することを目的としています。

シンガポールに本社を置き、東京に開発拠点を置く同社は、宇宙における拡張性のあるソリューションを提供する業界のリーダー的地位を確立し、衛星やロケットのオペレーターが責任を持って宇宙環境を使用することを実現し、新しいデブリが発生するリスクを軽減したいと考えています。

産業革新機構(INCJ)
官民出資により2009年7月に発足した産業革新機構は、日本におけるイノベーションの促進とビジネス価値の向上を目的としています。産業革新機構の設置期間は15年間で、「開かれたイノベーション」を通じて、次世代ビジネスの創出を促進し、公的および民間部門からの資金調達、経営資源、技術的専門知識の活用を目指しています。同社は最大2兆円(約200億米ドル)の投資能力を持っています。

産業革新機構についての詳細は、incj.co.jpをご覧ください。こちらは、根拠法の改正により、2018年9月、既存の株式会社産業革新機構から新設分割する形で発足した、株式会社産業革新投資機構のウェブサイトです。

ジャフコ株式会社
ジャフコ株式会社は、日本を代表するベンチャーキャピタルであり未公開株式投資会社です。日本、シンガポール、中国、台湾、韓国、アメリカ合衆国に拠点を持ち、東京証券取引所に上場しています。1973年の創業以来、投資先982社(2016年2月時点)が新規上場を果たしています。

ジャフコの詳細については、jafco.co.jpをご覧ください。※株式会社ジャフコは、2020年にジャフコグループ株式会社に社名変更しています​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​​ ​

 

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