宇宙ゴミ除去を目指すアストロスケールがシリーズDで累計調達額102百万米ドルを達成 〜高まるグローバル需要に伴いR&D増設へ〜

投稿日 2018年10月31日 カテゴリー ニュース

宇宙機の安全航行の確保を目指し、スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去サービスの開発に取り組むAstroscale Pte. Ltd. (本社:シンガポール、創業者兼CEO:岡田光信、以下「アストロスケール」) は、この度、シリーズDにより、株式会社INCJ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝又幹英、以下「INCJ」)、SBIインベストメント株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:川島克哉、以下「SBII」)運営ファンド、三菱地所株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:吉田淳一、以下「三菱地所」)等より新たに約50百万米ドルの出資を受け、累計総額で約102百万米ドルの資金調達を達成しました。

昨年以来、英国子会社の設立や米国の代表設置など、グローバル展開により国際競争力を高めてきたアストロスケールは、デブリ問題に対する世界での認識の高まりや需要の顕在化に伴い、更なる開発・製造・運用能力の増強に取り組んでいます。具体的には、日本研究開発拠点での開発体制の増員や施設の拡張、英国拠点の拡充、事業化促進を見据えた2019年中の米国拠点開設を予定しています。
アストロスケールは、2013年の事業開始より5年半で、4ヶ国で約60名を擁する組織へと成長を遂げました。デブリ除去実証衛星「ELSA-d(エルサディー)」の2020年初頭打上げに向けて、開発体制の強化や顧客志向のサービス提供、最適なサプライチェーン構築の実現を目指しています。

宇宙空間には、現在1cm以上のデブリだけでも約75万個が存在すると言われ、軌道上の安全を脅かしています。今後はデブリ総数の増加が懸念されており、宇宙の持続利用の為、宇宙状況把握(SSA)や宇宙交通管理(STM)の考え方が米国をはじめ世界各国で見直されつつあり、デブリ問題対策が監視強化から除去推進へと進化を遂げています。アストロスケールは、デブリ除去に係る軌道上サービスの展開を視野に、国際的行動規範・ルール策定等へ貢献してまいります。

アストロスケール創業者兼CEO岡田光信は、以下のように述べています。「創業時より5年半が経過し、デブリ除去にまつわる技術論・制度論・資金論について、形而上学的に論議する時代は終焉を迎えたと言えるでしょう。一民間企業がデブリ問題に取り組む違和感も払拭された今、次は誰がこの市場のリーダーに就くことが出来るのかが問われています。今回のシリーズDは、当社がグローバル市場を牽引するリーダーとして加速する為の必要不可欠な資金を調達しました。」

INCJ 勝又幹英 代表取締役社長は、次のように述べています。「INCJは、アストロスケールの技術力や、国内外の政府、国際機関、企業を巻き込んだビジネス推進力を高く評価しています。INCJは、今後も継続した支援を行い、アストロスケールが宇宙産業発展の大きなボトルネックとなりつつある、スペースデブリ問題の解決に寄与することを期待しています。」

SBIインベストメント株式会社 川島克哉 代表取締役執行役員社長は、次のように述べています。「SBIグループでは、これまでも様々な成長分野におけるベンチャー企業に積極的に投資を行っております。この度、SBIグループはアストロスケールのスペースデブリ除去に関する技術力や様々なビジネス課題に対する解決力を高く評価し、株主として参画させていただきます。今後も宇宙産業の発展に大きく寄与するアストロスケール社の企業価値の向上に積極的に取り組んで参ります。」

三菱地所 有森鉄治 執行役専務は、次のように述べています。「宇宙空間の開発や利用に関するルール整備は急速に進んでおり、都市開発の領域においても大いに活用・連携の余地があります。スペースデブリの問題はそうした宇宙空間の活用、宇宙関連産業の発展を妨げる可能性のある世界的な課題ともいえます。三菱地所は、こうした課題に真正面から向き合うアストロスケールの取り組みに参画いたします。」

引受先(五十音順)
•SMBCベンチャーキャピタル4号投資事業有限責任組合
•SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合
•株式会社 INCJ
•株式会社エースタート
株式会社コーエーテクモキャピタル
•株式会社ジャフコ
•ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合
•みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合
•三菱地所株式会社

ELSA-d(エルサディー)について
2020年初頭の打上げを目指し、アストロスケールは今月初旬、露国グラブコスモスローンチサービスとの契約を締結しました。世界初のデブリ除去実証衛星ELSA-dは、捕獲機のチェイサーとデブリを模擬したターゲットから成り、軌道上でのランデブー・ドッキング(飛行・接近)、近接接近の技術実証実験を行います。

 

英語のプレスリリースはこちらからご覧ください 。