スペースデブリ –歴史上の問題

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スプートニク1号–Copyright:NASA、A. Siddiqi

1957年、世界初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられ、人類は衛星データと技術への深い依存に至る道を歩み始めました。あれから60年経った今、8,000基を超える衛星が打ち上げられ、衛星は私たちの重要な国際インフラの一部となり、地球上の日常生活にとって当たり前の存在になっています。

日々、世界中の何十億もの人々が衛星からのデータに頼って生活しています。私たちはメッセージのやり取りをし、家族や友人と話をし、天気をチェックし、お金を管理し、他の多くのやるべき事をこなします。さらに、衛星は自然災害の管理と緩和、地球の気候と健康状態のモニタリング、国家安全保障のための情報取得にも使用されます。つまり、衛星データがなければ、世界中の人々の生活は全く違うものになるのです。

残念ながら、人類が海や空気や土地を汚染してきたように、私たちは地球軌道に確実に危険を及ぼす可能性のある爪痕を残してきました。現在と将来両方のミッションを脅かす、使われなくなった衛星と切り離されたロケットを宇宙空間に残してきたのです。

ここ数年の間、政府と業界がこのエスカレートする問題を認識して対処し始めたため、宇宙状況認識(SSA)と宇宙交通管理(STM)は世界中で話題となり、重要なテーマとなっています。

統計値

2019年1月に欧州宇宙機関(ESA)のスペースデブリ事務所が発表した数値(概算):

今までに打ち上げられた衛星の数:8,950基
今も地球を周回している衛星の数:5,000
稼働中の衛星の数:1,950基(つまり、軌道上にある衛星の約61%が動作していないゴミである)
500回に渡る衝突、崩壊、爆発(フラグメンテーションによりさらなるデブリが生成)

軌道上にあるデブリの推定個数:

10cm以上のもの:34,000個
1cmから10cmまでもの:90万個​ ​
1cm未満のもの:1億3000万個​ ​

軌道上にあるこれらの衛星や何百万ものデブリは地球にいる私たちの目には見えませんが、それらは確かに存在しており、現在と将来の宇宙ミッションにとって危険な環境が拡大しているのです。