アストロスケールの商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」、デブリから数百kmの距離にまで接近

投稿日 2024年4月11日 投稿先ニュース

搭載カメラでデブリを捕捉。デブリの方角情報も用いさらに接近  

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担う株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅、以下「アストロスケール」)はこの度、日本時間2月18日深夜に打ち上げられた商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」のミッションにおいて、デブリとの距離を数百kmにまで詰め、ここからさらに距離を縮める近傍接近を開始したことをお知らせいたします。

運用を終了した衛星等のデブリは非協力物体※1であり、外形や寸法などの情報が限られるほか、位置データの提供や姿勢制御などの協力が得られません。よって、その劣化状況や回転レートなど、軌道上での状態を把握しつつ当該デブリに安全・確実にRPO※2(ランデブ・近傍運用)を実施することは、デブリ除去を含む軌道上サービスを提供するための基盤となります。ADRAS-Jは実際のデブリへの安全な接近を行い、デブリの状況を明確に調査する世界初※3の試みです。具体的には、大型デブリ(日本のロケット上段:全長約11m、直径約4m、重量約3トン)への接近・近傍運用を実証し、長期間軌道上に存在するデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行います。

2月22日より開始した接近の運用では、軌道投入時にはデブリと異なる軌道にあった衛星を、 GPSと地上からの観測値という絶対的な情報を用いて(絶対航法)デブリと同じ軌道へと調節し、デブリの後方数百kmにまで接近させました。そしてこの度、ADRAS-J搭載のVisCam(可視光カメラ)にてデブリを捕捉したことで、衛星搭載センサを駆使してデブリの方角情報を用いる相対航法(AON※4)を開始しました。今後はこの方角情報も用いながら安全に接近を続け、その後は搭載センサが取得するデブリの形や姿勢などのさまざまな情報をもとに、さらに距離を詰めていきます。

軌道上サービス、そして宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)の基礎を築く本ミッションの進捗は随時ご案内してまいります。ミッションの完了は5月中を予定しています。今後の最新情報にご期待ください。 

※1 非協力物体:接近や捕獲・ドッキング等を実施されるための能力・機器を有さない物体のこと ※2 RPO:Rendezvous and Proximity Operations Technologiesの略称。ランデブ・近傍運用 ※3 過去に同様のミッションが実施されたか否かを自社で調査(2023年) ※4 AON:Angles-Only Navigationの略称。デブリの方角情報を用いる相対航法