アストロスケール英国、ELSA-M軌道上実証における最終フェーズの契約を獲得 

投稿日 2024年7月22日 投稿先ニュース

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、代表取締役社長兼CEO 岡田光信)の英国子会社であるAstroscale Ltd(以下、アストロスケール英国)はこの度、Eutelsat OneWebと軌道上で役目を終えた人工衛星を磁石捕獲で複数除去する衛星「ELSA-M(エルサ・エム、End-of-Life Services by Astroscale – Multi clientの略)」の軌道上実証の最終フェーズ(フェーズ4)に関する契約を締結しました。本契約では、英国宇宙庁(UKSA)と欧州宇宙機関(ESA)より1,395万ユーロ(約1,180万ポンド)を確保しました。 

本資金は、ESAとEutelsatグループの官民パートナーシップであるSunrise(サンライズ)パートナーシッププロジェクトの一環として、Eutelsat OneWebとの契約を締結したことに伴い拠出されます。

ESA の電気通信システム先端研究 (ARTES) プログラムの一部である Sunriseプロジェクトは、次世代の電気通信衛星ミッションのソリューションを開発することを目的としています。ARTES プログラムと Sunrise プロジェクトは両方ともUKSAによってサポートされています。

2026年に打上げ予定のELSA-Mは、捕獲や除去を可能にするインターフェイスを搭載した衛星を対象とした、衛星運用終了時の除去を行うEOL(End-of-Lifeの略)サービスとして世界初となるミッションです。この画期的なミッションは、オックスフォードのハーウェルキャンパスにあるアストロスケール英国によって設計および製造されています。またELSA-Mの機能は、2021年に打ち上げられ、模擬デブリの捕獲や遠距離からの接近の実証に成功した「ELSA-d(エルサディー、End-of-Life Services by Astroscale – demonstrationの略)」の機能を向上させたものです。

フェーズ 4 では、フライトモデルの組み立てと統合、試験、打上げ、コミッショニング、そしてEutelsat OneWeb クライアントの捕獲と軌道離脱の運用が含まれます。

アストロスケール英国は持続可能な宇宙運用へのコミットメントを示し、宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)と軌道上サービスの未来への道を切り拓いていきます。

ELSA M 契約書サイン 3
アストロスケール英国社長のニック・シェーブと、Eutelsat OneWebとESAのチーム