アストロスケールとOneWeb社がデブリ除去の技術革新のため 英国宇宙庁からの250万ポンドの契約に署名 ~2024年までのサービスの商用化に向けて技術革新を加速~​ ​

 2021年5月25日持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(以下、宇宙ごみ、デブリ)除去サービスを含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(以下「アストロスケール」)は、グローバルに衛星通信サービスを提供するOneWeb Ltd.(本社:英国ロンドン、CEO: Neil Masterson、以下「OneWeb」)をパートナーに、2024年までにデブリ除去の商用サービス化に向けた技術革新のため250万ポンドの資金を受け取りました。

この取り組みは、欧州宇宙機関(ESA)の総額3,200万ポンドを超える通信システム先端研究「Sunrise(サンライズ)」プログラムを通じて、英国宇宙庁(UKSA)が、パートナーであるOneWebやSatixFy、Celestia UK、アストロスケール英国へ付与するもので、アストロスケールは2019年より同プロジェクトに参画しています。この資金を活用し、軌道上ミッションで役目を終えた複数の人工衛星を除去する衛星「ELSA-M(エルサ・エム、End-of-Life Services by Astroscale – Multi clientの略)」の技術を開発します。

アストロスケールの最高営業責任者(CCO)兼アストロスケール英国社長のジョン・アーバンは、以下のように述べています。 「サンライズチームと提携して、デブリ問題のための技術革新をさらに加速できることを大変嬉しく思います。OneWebとの大規模な取り組みは、当社の技術革新のみならず、2024年までのデブリ除去サービスの商用化実現を見据えた大きな一歩です。マルチクライアント戦略をとることで、デブリ除去サービスのコスト削減や衛星コンステレーション運用者に対して、除去の必要性や動機付けの加速を促します。」  

今年3月に打上げ・軌道投入に成功した、アストロスケールのデブリ除去技術実証衛星「ELSA-d (エルサディー、End-of-Life Services by Astroscale – demonstrationの略)」は、現在、低軌道(LEO)で運用を続けており、この夏に行われるランデブ・近傍運用、分離・捕獲といった、一連の複雑な実証実験に向け準備を進めています。また、ELSA-dに搭載されるソフトウェアやセンサ、アルゴリズムにより可能となる自律型技術の多くは、この新たなELSA-Mプログラムで更なる進化を続けます。 

アストロスケールで、欧州における将来の事業計画策定の責任者であるジェイソン・フォーショーは、以下のように述べています。 「本プロジェクトの開発をご支援くださる、OneWeb、英国宇宙庁、欧州宇宙機関に感謝申し上げます。この資金提供により、ELSA-dが目指す、コンステレーション顧客向けの衛星回収サービス(EOL)のコアであるRPO技術※1と機能を進化させることができます。ELSA-Mは、複数を対象とした一連のデブリ捕獲・除去に加え、捕獲機(サービサー)の再利用などの機能を備えています。」​ ​ ※1 RPO:Rendezvous and Proximity Operations Technologiesの略称 、ランデブ・近傍運用

またアストロスケールでは、このプロジェクトに並行して次世代ドッキングプレート(DP)を開発しています。これは打上げの前に、クライアントの衛星に目印を取り付けることで、捕獲機(サービサー)がクライアント衛星を捕獲できる設計です。私達は、宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティー)を実現する為にも、顧客であるコンステレーション運用者に予めDPの装備を推奨します。万が一、人工衛星に障害が発生した際や、運用が終了し除去する必要がある場合等、将来的に軌道上サービスを要する際に、効率的な除去を可能にするものです。OneWebは、全ての自社衛星に互換性のあるDPの取り付けを約束するなど、宇宙産業で同様に将来のデブリ除去に向けスペースサステナビリティーに取り組んできました。アストロスケールも引き続き、デブリ問題の解決に向け、技術開発をはじめ包括的に取り組んでまいります。 

 

 

 

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